書(書道作品)ってどこで買えるの? いくらくらいするの?


1.書(書道作品)ってどこで買えるの?
1.書ってどこで買えるの?


これは私が書を欲しいと思った時に最初に抱いた疑問である。とりあえず「書、買う」「書道作品、買う」などで検索したが、6〜7年前はほとんどヒットしなかった。現在は多少増えたが、それにしてもまだ選択肢はかなり少ないと思う。

では実際にどこで(どうやって)買うか?
主に以下の6つの方法がある。

①作家の個展、またはグループ展
②古美術店やごく一部のギャラリー
③アートフェア
④SNS等で作家に直接依頼
⑤ハンドメイドマーケットプレイス等
⑥オンラインギャラリー(オンラインショップ)


購入者視点からそれぞれのメリットデメリットを記載させてもらった。

①作家の個展(グループ展)

メリット
・作品を直接見ることができる。質感や大きさ、そして作品が放つエネルギーを直に感じることができる。
(個展)作家ワールドを堪能できる。作家から直接作品の説明を聞けることもある。
(グループ展)それぞれの作家の個性の違いが見え、選ぶ楽しさがある。ただし、同じ書道会所属のグループ展は作風が似ているものが多い。
・価格がわかる。作品の横に記載されているものもあれば、価格一覧がどこかに設置されている場合が多い。
たまに「購入希望の方は声をかけてください」という表示があるが、価格を聞くというのは心理的なハードルがかなり高いので、主催者側にはその点をご理解いただければと思う。
【デメリット】
・よほどアンテナを張っていない限り、いつどこで開催されるかわからない(書道専門誌に記載されていることはある)。
・ほとんどが東京やその作家の地元で開催されるため、地域格差が大きい。交通費その他のコストは大きい。行ってみないと価格がわからないというのは特に遠方だとリスクが高い。
・そもそも販売することを目的としていない(前面に出していない)個展も少なくない。



②古美術店やごく一部の企画ギャラリー

【メリット】
・①と同じく直接見ることができ、価格がわかる。価格の記載がないとハードルが上がる。
・すでに他界されている著名な書家の作品に出会えるかもしれない。
【デメリット】
・個展よりもさらに情報が少ない。点数も少ない。交通費等のコストは①と同様

③アートフェア

【メリット】
・①と同じく直接見ることができ、価格がわかる。価格の記載がないとハードルが上がる。
【デメリット】
・詳しいことはわからないが、書作品はかなり少ないのではないかと思う。ちなみに2019年のアートフェア東京では井上有一の作品があったのは記憶に残っているが、その他はあったようななかったようなというくらい少なかった。


④SNS等で作家に直接依頼
【メリット】
・作家と繋がれる可能性がある。
・オーダー作品を作ってもらえる。
・作家によっては価格が記載されているので、事前に価格がわかる。
【デメリット】
・オーダー作品の場合、仕上がりが気に入らなくても言いにくい。
・価格の記載がない場合、聞くのは相当勇気がいる。
・作品の実物が見られない。


⑤ハンドメイドマーケットプレイス等
【メリット】
・低価格のものが多い。
【デメリット】
・書道経験があまりないと思われる人の作品が多い。
・作品の実物が見られない。


⑥オンラインギャラリー(オンラインショップ)
【メリット】
・情報の地域格差がない(いつでもどこでも、「見て」「買う」ことができる)。
・(個展を見に行く場合のような)交通費等の作品以外のコストがない。
・多くの作品から選ぶ楽しみがある。
・価格が明確。
・オリジナル作品のオーダーができるところもある。
【デメリット】
・作品の実物が見られない。

以上のように、それぞれにメリット、デメリットがある。
私がオンラインギャラリーを開設しようと思ったのは、①~③のデメリットの部分を強く感じていたので、購入を検討している側としてこういうのがあったらいいなと思ったものを作りたかったからだ。
確かに書を含むアート作品を買う上で「作品の実物が見られない」というのはデメリットだとは思う。私もできれば実物を見たいと思うので。
ただ、一つ言えることは、実物は写真よりも間違いなく良いです(笑)
つまり、写真で気に入った作品は、実物はそれ以上に気に入ることを断言できます。
ただし、思っていたより小さかったというようなことがないように作品サイズの確認は必須です。

>書と墨画のオンラインギャラリー【黒棘】

>オリジナル作品のオーダーご依頼について

2.書っていくら(価格)くらいするの?
2.書っていくら(価格)くらいするの?

これは誰もが気になる所だと思うが、作家によりピンキリである。
と言ってしまうと話が終わってしまうので、私が実際に見聞きしてきたものについて、ほんの参考程度に見ていただければと思う(ザックリすぎて参考にならないかもしれないが)。

①(メディアに登場するような)一般的に知名度が高い書家
・小型作品(一辺が30cm程度):10万~数十万
・中型作品(一辺が50~80cm程度):数十万~100万
・大型作品(一辺が1~2m程度):100万〜数百万

② ①以外の書家(幅があります)
・小型作品:数万~10万
・中型作品:数万~数十万
・大型作品:10万~ 100万(作家によっては数百万)

③ハンドメイド作家(書家)
・数千~数万円

ちなみに書道作品で最も高額なものに、
・北大路魯山人(故人)「いろは屏風」約5000万円
・井上有一(故人)  「泰」2100万円
などがある。


少しは参考になりましたでしょうか。

買う予定はないけれど、様々な書道作品を見たいということであれば、大きな書道展に行ってみてはいかがでしょうか。これでもかというくらい多くの作品を見ることができますので、何回か足を運ぶと自分の好みの作風がわかってきますよ。
【代表的な書道展】
毎日書道展(主に現代書)
読売書法展(伝統系の書)

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